私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

決して二度とあってはならない

2023-10-20 21:32:58 | 日記
ナチ・ホロコーストの生き残りの人々とその縁者たちが、今からほぼ10年前の時点で、イスラエルのシオニズムに反対して発した、225名の署名を伴った声明に遭遇しました。2014年8月12日という日付で出されたことを肝に銘じつつ、この厳正な声明を読まなければなりません。

記事の冒頭には、この声明書を報じた社会主義労働者団体のウェブサイトの筆者による紹介があります。

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August 12, 2014
NEVER AGAIN MEANS FOR ANYONE

パレスチナとの国際的連帯を求める最も力強い声の中には、反シオニストであるユダヤ人、特に第二次世界大戦中のナチス・ホロコーストの生存者が含まれており、彼らは今日、イスラエルに反対の声を上げている。以下に再掲する声明の中で、200人以上のユダヤ人生存者とナチスによる大虐殺のユダヤ人生存者の子孫は、イスラエルによるガザへの大虐殺を非難し、パレスチナ人に対する大虐殺を終結することを呼びかけている。

声明はまた、主催者が「パレスチナ人の非人間化を促進するために(生存者の)歴史を悪用すること」、特に著名な作家であるエリー・ヴィーゼル氏らによって構成され、ニューヨーク・タイムズ紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、ワシントン・ポスト紙、ガーディアン紙などに掲載された卑劣な広告に反対している。広告の見出しは、「ユダヤ人は3500年前に子供の生け贄を拒否した。今度はハマスがそうする番だ」。これは、ハマスが子どもを「人間の盾」として使っているというイスラエルのプロパガンダへの言及だが、この主張については、一つだに全く何の証拠も提示されていない。パレスチナ人たちに対するこの吐き気を催すような中傷はエレクトロニック・インティファーダが言うように、「大量虐殺への扇動」である。
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 ナチスによる大量虐殺を生き延びたユダヤ人の生存者とその子孫として、私たちは、ガザにおけるパレスチナ人の虐殺と、歴史的パレスチナの進行中の占領と植民地化をはっきりと非難する。さらに私たちは、イスラエルにこの攻撃を実行するための資金を提供した米国と、イスラエルを非難から守るために外交力を行使した西側諸国を非難する。ジェノサイドは世界の沈黙から始まる

私たちは、イスラエル社会におけるパレスチナ人の極端で人種差別的な非人間化が、熱病的になってきていることを極めて危惧している。イスラエルでは、『タイムズ・オブ・イスラエル』紙や『エルサレム・ポスト』紙の政治家や評論家がパレスチナ人の大量虐殺を公然と呼びかけており、イスラエルの右翼はネオナチの記章を採用している。

さらに私たちは、エリ・ウィーゼルがこのページで私たちの歴史を悪用し、正当化できないことを正当化するためのあからさまな虚偽を宣伝していることに嫌悪感と憤りを覚える:イスラエルはガザを破壊し、何百人もの子どもを含む2000人近いパレスチナ人を殺害した。国連の避難所、家、病院、大学への爆撃を正当化することはできない。人々から電気や水を奪うことを正当化することはできない。

私たちは、現在進行中のパレスチナ人に対する大量虐殺を含む、あらゆる形態の人種主義に終止符を打つために、声を上げ、総力を挙げなければならない。私たちは、ガザに対する包囲と封鎖の即時停止を求める。私たちは、イスラエルに対する全面的な経済的、文化的、学術的ボイコットを要求する。「決して二度と」という言葉は、誰にとっても「決して二度と」という意味でなければならない!




<この本文に続いて、ナチ・ホロコーストの生存者たち(32名)、生存者の子供たち(71名)、生存者の孫と曽孫たち(86名)、生存者の親戚(31名)の署名が続きます。はじめの部分を少しコピーします>;

Signatories

SURVIVORS
Hajo Meyer, survivor of Auschwitz, The Netherlands
Henri Wajnblum, survivor and son of victim of Nazi genocide, Belgium
Renate Bridenthal, child refugee from Hitler, granddaughter of Auschwitz victim, United States
Marianka Ehrlich Ross, survivor of Nazi ethnic cleansing in Vienna, Austria. Now lives in United States
Annette Herskovits, survived in hiding in France and daughter of parents who were murdered in Auschwitz, United States
Irena Klepfisz, child survivor from the Warsaw Ghetto, Poland. Now lives in United States
Karen Pomer, granddaughter of member of Dutch resistance and survivor of Bergen Belsen. Now lives in the United States
Hedy Epstein, her parents and other family members were deported to Camp de Gurs, and subsequently all perished in Auschwitz. Now lives in United States
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もう一度、声明の全文を読み返してみましょう。これが出されたのは、昨日ではなく、10年前です。今回のガザの暴発は暴発ではないのです。

 この声明文に続いて、私はもう一つ(あるいは二つ)の特記すべき重要な発言に出会いました。ノーマン・フィンケルシュティーンの発言です。この人は、私にとって、ユダヤ問題についての、そして学問をする人間としての得難い師匠(mentor)です。数日中にブログ記事を書きます。
 私が紹介したい記事の一つは、既に、『マスコミに載らない海外記事』に紹介されています:



藤永茂(2023年10月20日)

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1 コメント

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ガザを生き延びた本物の記者エヴァ・バートレット (檜原転石)
2023-10-29 13:58:01
Gaza Under Seige - Eva Bartlett on Reality Asserts Itself (1/2)
https://www.youtube.com/watch?v=GfgkxF5oaWc

Gaza Under Siege - Eva Bartlett on Reality Asserts Itself (2/2)
https://www.youtube.com/watch?v=CGaj_EdXytY

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