杉田水脈議員のアイヌ民族差別投稿 人権侵害と認定 札幌法務局

7年前、自民党の杉田水脈衆議院議員がみずからのブログなどでアイヌ民族を差別する投稿を行ったことについて、札幌法務局は人権侵害にあたると認定し、議員側にアイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行ったことが分かりました。

杉田衆議院議員は平成28年、みずからのブログやSNSに国連の会議に参加したときのことについて、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などと投稿しました。

この投稿について、会議に参加したアイヌの女性が「侮辱であり、人格を否定しておとしめる差別的な内容だ」として、ことし3月、札幌法務局に人権救済を求める申し立てを行いました。

女性によりますと、法務局が投稿について調査を進めた結果、「人権侵犯の事実があった」と認定し、今月、議員側にアイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行ったということです。

札幌法務局はNHKの取材に対し、「個別の事案については回答できない」としていますが、杉田議員の事務所は「法務省から連絡があり、『人権侵犯の事実があった』と説明を受けた」としています。

女性は「法務局が人権侵害にあたると認めたことは大きな一歩だ。アイヌ民族や社会的弱者が声を上げやすい社会になってほしい」と話しています。

松野官房長官「民族としての誇りが尊重される社会の実現を」

松野官房長官は午前の記者会見で、個別事案についてはコメントを控えるとしたうえで、「アイヌの人々に対し、アイヌであることを理由として差別することはあってはならず、政府としてはアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現に向け、施策を推進することが重要だ」と述べました。