名誉記者団

2023.03.08

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【文・写真=田中智】

IT先進国の韓国ではキオスク端末を導入した「セルフレジ」や「スマートショップ」などの普及が加速度的に進んでいます。

コロナ禍に陥る数年前からカフェやファストフード店にキオスク端末が導入されていました。
スーパーマーケットや大型店舗中心に利用が進む日本とは異なり、韓国ならではの普及が進んでいました。
コロナ以前の訪韓ですでに使いこなす、あるいは使い慣れていた方も多いかもしれません。

その後、最低賃金の上昇による人員削減やコロナ禍といった強風を受け、この傾向は一気に加速し、
スーパーマーケットやディスカウントストアといった大型店や食堂、小売店にまで広まるばかりか、
店員のいない「スマート・コンビニ」やカートに入れるだけで会計できる「スマート・カート」といった派生形にまで展開していくことに。

まだまだ旅行者には馴染みが薄い韓国の「スマート・レジ」事情を紹介していきましょう。



*キオスク端末*

個別に独立した端末機器のタッチパネルに必要な情報を入力するだけで商品購入や会計などを済ませることができる機材のことです。
空港でパスポート情報などを読み取らせ、搭乗券(ボーディングパス)をプリント(自動チェックイン機とも呼ぶ)したり、
駅では事前にネット予約した番号などを入力することで乗車券を手にしたことがある旅行者は多いはず。
その端末が店頭、あるいはレジに代わって置かれるようになってきました。

そんな「キオスク端末」も様々な方式、利用方法に分かれますのでそれらを紹介します。



◆セルフレジ◆

いわゆる「無人レジ」、「スマートレジ」とも呼ばれるものです。
韓国語では「셀프계산대(セルフ計算台)」と呼ばれることが多いようです。
カフェ、ファストフードでは店頭に多く見受けられ、
入口付近の端末で注文、会計を済ませ、発行された番号で呼び出され、カウンターで商品を受け取る、といった流れです。
最近ではキンパを食べられる食堂や1000ウォンショップなどにも導入が進んできています。
スーパーなどの大型店舗ではバーコードを読み取らせ、会計するスタイルで日本の方式と変わりがなく、馴染みもあるかと。
ただし韓国場合、「セルフレジ」に広いスペースを割いているのが特徴です。

◆スマートカート◆

カートに入れるだけ、載せるだけで会計ができてしまう方式。
一部スーパーなどで導入されてるが普及率はまだ低めのようです。
メンバーであるか、または専用カードなどがないと利用できなかったりするのが枷になっているようです。

◆スマートコンビニ◆

店員がいない、まったくの「無人店舗」式のコンビニ、現在、ソウル市内に増殖中です。
有名チェーンのコンビニ以外にもラーメン店やアイスクリーム店などにも導入が進んでいます。



利用者、消費者の立場から「スマート」方式のメリット・デメリットを記します。

@メリット

コロナ禍以降、「対人・対面」「金銭授受」などの接触が避けられるため、衛生面から重宝されています。
混雑、行列の緩和、待ち時間の縮小といった「せっかち」な韓国人に適している部分が大きなアドバンテージに。
店内飲食とテイクアウト利用のすみ分けができることも使い勝手がいいようです。

@デメリット

端末により、現金での購入ができない。(結局、対人レジへ進むことに)
年配者がキオスク端末の利用に戸惑い、その店を利用できない。(韓国では社会問題の一端ともいわれています)
旅行者としては店員、現地の人との交流機会が減ってしまう。



また旅行者としての実際に体験した注意点を書き記しておきます。

+海外のクレジットカードや現金が使えない。
会計時に「クレジットカード」を選択した場合、店舗や端末により「国内カード」のみ受け付けるものがあります。
海外発行(日本発行)のカードはエラーが出てしまい、会計できないこともありますのでご注意を。
またキオスク端末によっては現金会計できるものとできないものがあり、
「カカオペイ」などのバーコード決済、T-moneyカードなどに支払対応している場合もあるので要確認です。
=某ファストフードで悪戦苦闘の末、現金で払うしか手立てがなく、対人カウンターに向かい、結局二度手間に。

+日本語表記がない。
現状の経験では韓国語と英語の画面表記しか見たことがなく、言語に心もとない方には不安要素です。
(韓国国内のキオスク端末なので当然ですが、英語表記も一部端末に限ります)

+尋ねられない。
バーコードを読み取れない、あるいは上記の支払い手立てがないといった不測の事態に尋ねるスタッフがいません。もちろん、スタッフがいるところもあるそうです。

呼び出しボタンを押すか、他の客に尋ねるか、いずれにしろ手間がかかります。



「スマート」機器の導入は「並ばなくていい」「注文してすぐに受け取れる」など便利な点も多いですが、
「現金が使えない」「操作がわかりづらい」など高齢者や障害者などに優しくないため、韓国国内でも問題提議がなされているようです。
当然ですが旅行者には「スマート」でない不便な部分も見え隠れしていますが、
異国の最先端機器ですので、こういった体験も旅の話題のひとつと思い、楽しい「スマート」な韓国旅のひとときを。

Bon Voyage en Coree !

*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr